思いついたら気軽に1泊、のんびり街歩き | 宇都宮の意外な魅力

栃木

栃木県 宇都宮へは東京駅から新幹線で約1時間。
普通電車なでも約2時間と、気軽な1泊旅行にはぴったりな好アクセスです。

でも、一般的には宇都宮と言えば「日帰り旅行」とか「ついで」のイメージが強くないですか?
私は宇都宮に泊まりに行くのが大好きですが、好きな旅先としてあげると大抵「なんで?」と訊かれますね。

ご飯が美味しくてコスパがいい。そして何より居心地がいい。
この記事では、そんな旅先としての宇都宮の魅力をお伝えしたいと思います。

ドはまりしている人間の言い分から、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

筆者と宇都宮

都内在住。

10年以上前から、年に2~3回宇都宮に泊まりに行っています。
試しに数えてみたところ、2024年は5回でした。
コロナで行けない期間があった反動のようです。

特に血縁や知り合いがいるわけでもなければ、毎回新しいスポットを開拓するわけでもなく……。
美味しいものを食べてブラブラ散策、あとはホテルでんびりしています。

面倒くさがりで出不精な私ですが、宇都宮旅行は本当に気兼ねがありません。

どうして宇都宮なのか

簡単に人のいない写真が撮れる

都内からアクセスのよい観光地ならたくさんあります。
その中でも、どうして私は宇都宮という地方都市にハマったのか……。
改めて考えてみると、「メリットの多さ」「居心地のよさ」が大きな理由だったと思われます。

旅先としてのメリット

1泊旅行でかるく羽を伸ばしたい。
そんな時、私にとって条件が良くもっともストレスの少ない旅先が宇都宮です。

混雑回避

混雑した観光地はどうにも苦手ですが、宇都宮は道が広くて快適です。
二荒山神社や松が峰教会など、徒歩圏内の観光スポットにも大きな混雑はないです。
飲食店は、行列を避けつつしっかり名物を楽しめます。

アクセス

都内から普通電車で行けるので、新幹線などの予約がいらず気軽。
普通車両でも大宮を過ぎればだいたい座れますし、グリーン車に乗ればより快適です。
また、駅から徒歩圏内でも十分楽しめるので運転できなくても問題ありません。

コスパ

リーズナブルなシティホテルがたくさんあるので助かります。
餃子や焼きそばなど名物グルメが手軽で食べやすいのも嬉しいです。

手軽さ

何も予約せず、前日に思い立っても泊まりに行けます。
(ホテルの選択肢は少なりますが)
逆に、なにかアクシデントがあった時に振り替えるのも簡単です。
体調や天気によって予定を変えられる安心感は大きいです。

趣味

個人的には、オタク系のショップが豊富で空き時間に困らない、というのもあります。
東京から訪れてもわくわくするほどの店舗数です。

いかがでしょうか。
人によっては刺さるポイントが満載です。

不思議な居心地の良さがある

きっかけは単なる条件面のマッチ。
しかし実際に行ってみると、不思議な居心地の良さがから初めて旅先をリピートしたいと思いました。

繰り返し訪れるうちに土地勘が出てきて更に居心地が良くなり、今では定期的に宇都宮が恋しくなるほどです。
もはや「旅行」と言うよりも、「帰郷」に近い感覚のような……

東京生まれ・東京育ちなので、東京以外の地域と結びつくことに憧れを持っていたのかもしれません。
宇都宮には、そういった外からの人間を、いい意味で無関心に受け入れてくれる懐の広さを感じます。

色々な人が集まる地方都市ならではの、多少ドライで開放的な雰囲気がそう感じさせるのでしょうか。
近所に住んでいる人、他の地域から遊びに来た人、仕事で来た人、観光で来た人……
全員が快適に過ごせるように街が作られているのだと思います。

どこかに泊まりに行きたいけど、気疲れせずにのんびり過ごしたい。
宇都宮には、そんな小旅行にぴったりな居心地の良さがあります。

宇都宮の意外な魅力

ここからは、私が思う旅先としての宇都宮の意外な魅力を3つあげていきます。

たくさんある中から、一般的にはあまり推されていないポイントをご紹介できればと思います。

魅力① 地元に参加させてもらっているような感覚が心地良い

一緒になって応援しました
7・8年前だったと思います。
宇都宮駅の駅ビルにあるみんみんで餃子を食べていたら、隣の席にスーパーの買い物袋をさげた女性が着席。
ライスなしで餃子一皿だけさっと食べて出て行きました。

たったそれだけなんですが、なんだかすごく宇都宮……! という感じがして痺れた記憶があります。
15時くらいだったので、遅めのお昼かおやつでしょうか。
当時の私はまだ宇都宮ビギナーで、観光客向けに設定されたと思われる「『ダブルスイライス』セット」を食べていたので余計カッコよく見えました。
※ダブルスイライス=焼餃子2人前・水餃子2人前・ライス。一時期は地元の通な頼み方としてよくメディアで取り上げられてましたが、最近聞かないような。

旅先で地元の方の日常に触れるという体験自体は、そう珍しくはないものだと思います。
ただ個人的には宇都宮で出会うそういう部分が、すごく魅力的に感じています。

焼きそばの石田屋で持ち帰り予約の電話がジャンジャン鳴ってる時。
来らっせに行くために、地元の人が買い物をしているスーパーを通り抜ける時。
通りかかったオリオンスクエアで地元の子供たちの発表イベントを見かけた時。

私がそういう場所を好んでまわっているのもありますが、餃子通りのような観光向けスポットでなくてもアウェー感がないのは確かです。
地元のイベントやお祭りも、規模が大きいのでふらっと参加できます。
地域おこしのイベントが盛んなので、土日に訪れると何かしらやっているイメージですね。

地域の一員になって楽しんでるような。
宇都宮にはそういう部分が沢山あって親しみが持ちやすいです。
身内よそ者関係なく、「色々あるから、好きにやってよ!」とほどよく絡んでくれるコミュニケーション能力の高さを感じます。

絡まれすぎても引いてしまう、私のような根暗には一番助かるタイプです。

遊び倒してもいいし、ほどほどで先に帰っても気にせず「じゃ、またー」と言ってくれる。
宇都宮のコミュ力に絆され、通っているうちに「自分、宇都宮出身だったかな?」と錯覚するようになります。

餃子通りや松ケ峰教会、二荒山神社など、観光スポットを巡るあいまに、ぜひ街全体の空気の空気も楽しんでみてください。

魅力② 低コストで楽しめる

これは特に意外でもないですが。
個人的にも特に優先度の高いポイントなので、お気に入りの店もあわせてお伝えします。

私は心配性なもので、お金をかけた旅には常に緊張感が伴います。
当日天気が荒れないか、きちんと予定通りに回れるか、金額の割に楽しめなかったらどうしようか……
こんな性格なので、旅行にかかるコストは少ないほど気を張らずに羽を伸ばせます。

宇都宮ではなるべくコストを抑えつつ、ご当地の美味しいものを食べて旅気分を味わうことができます。

餃子:来らっせ(本店)

「みんみん」と「さつき」

二荒山神社近くのMEGAドン・キホーテ地下にある餃子店です。
「常設店舗」と「日替わり店舗」がありますが、私はいつも常設を利用しています。

常設店舗はフードコートのようになっていて、「みんみん」「めんめん」「香欄」「龍門」「さつき」と有名な餃子店が5店舗入っています。

フードコートとは言えそれぞれの店舗で厨房は独立していますし、お皿も実際のお店と同じものを使っているので雰囲気は十分です。
カウンター席に座れば、目の前で餃子を焼いているのでライブ感も◎

なにより、整理番号制なので行列を避けていろいろな有名店の餃子を食べられるのが魅力的です。
LINEで受付すれば呼び出されるまで列を離れられるようになっています。

餃子は1皿400円前後がメイン、変わり種でもだいたい500円台です。
一人1000円台で十分楽しめます。


価格はそれぞれの店舗で食べるより割高なので、本来は食べ歩いた方が安くはなります。
とは言え数十円の差です。
行列に並ぶのが嫌いな方にとっては、高くないのではないでしょうか。

土日はタイミングによって100組待ちみたいなえらいことになっているので、早めに行って受付をしておくのがお勧めです。

焼きそば:石田屋

ソースをびちゃびちゃかけて食べます

よくテレビでも紹介されている、焼きそばの専門店です。

独特の太麺に好みでソースを追いがけして食べるスタイル。
具が別炒めになっていて、組み合わせが色々あります。
肉・野菜・ハム・たまご、全部入ったミックスがお勧め。

ミックスの普通サイズ(中)で750円。
一番大きいサイズでも1000円です。

安くてうまい。

持ち帰り予約の電話がじゃんじゃん掛かっていて、黒電話のベルが常に鳴っています。
店員さんの対応が鮮やかで気持ちいいです。

土日だと11:00の時点ですでに並んでいることが多いので、二日目にチェックアウトしてすぐに向かうようにしています。
座席は多くなく、向かい合わせでの相席必至です。

ここにしかない味で、毎回寄ってしまいます。

ホテル:キャッスルシティホテル

宇都宮には良いホテルが本当にたくさんありますが、最近はこちらをよく利用します。

東武宇都宮の駅近くにあり、オリオン通りなど繁華街にアクセスが良いです。
JR宇都宮の近くに泊まると、繁華街が遠くて意外と動線が悪いんですよね。

スタッフの方は優しく親切で、全体的にアットホームな雰囲気。
フロント前にある菓子の販売コーナーは、価格がどれも100円台と超良心的です。
1階のドリンクマシーンでコーヒーやスポドリが無料。
さらに1人につき1つ入浴剤をいただけたりと、細かいサービスにほっこりします。

部屋着がセパレートなのが地味に嬉しいポイントです。
浴衣やバスローブタイプって、どうすると翌朝まで着崩れないんでしょう。

設備は古めですが、いつもきれいに清掃してあります。
男女入れ替え制の大浴場がありますが、私は使ったことがありません。

土日でも1人7000円くらいで泊まれるので、コスパでは宇都宮最強レベルだと思っています。

その他:東京からの東京からのアクセス

アクセスが良く、交通費が抑えられるからこそ頻繁に足を運べます。

JR宇都宮へは都内(新宿、池袋、東京、上野など)から各駅停車で2時間ほど。
運賃は 片道1980円です。

新幹線でなくても十分なので、当日アクシデントがあっても自由に出発時間をずらせます。
当日、思い付きで出かけることも可能です。
ホテルもだいたい、どこかしら空いています。

JRの色々な駅から乗り換えなしで行けるところもポイント高いです。
一度グリーン車で座ってしまえば、旅気分で車窓を眺めながら優雅に移動できます。
グリーン券は800円。
※2024年にグリーン券の価格改定があるようです。

混んでいるのはだいたい大宮までなので、グリーン券を買わなくても序盤でほとんど座れるかと思います。
帰りは始発なので心配ありません。

魅力③ オタクショップが多い

スコナランドの景品ゲーム。なつい。

これが個人的にはかなり重要です。
また、あまり知られていない一面でもあるかなと思います。

ショップが密集しているのはオリオン通りがある繁華街エリア。
メガドンキ(駿河屋、喜久屋書店)フェスタ宇都宮(もはやオタクビル)が至近距離で並んでいてコンパクトにまわれます。
散策や食べ歩きのついでにも立ち寄りやすいです。

都心の店に比べると、土日でも随分空いている印象でゆっくり見られるのもいい所。
慣れないショップで掘り出し物を探すのは意外に楽しいです。

MEGAドン・キホーテ

6Fに駿河屋と喜久屋書店コミック部門が入っています。どちらも広さがあります。
喜久屋書店はオタクショップではありませんが、漫画とそれ以外でフロアを分けているので、品ぞろえはかなり豊富です。
アメコミも充実しています。

4Fに晴れる屋というカードショップがあります。
カードは詳しくないのですが、マジック:ザ・ギャザリングの専門店らしいですね。

フェスタ宇都宮

以前は普通の商業ビルだったと思うのですが、今や完全にオタクビルです。
サブカル系のショップがだんだん浸食していく過程は感慨深いものがありました。

B1 メロンブックス
2F イエローサブマリン / ソフトプラザ遊基
3F らしんばん / カードラボ
4F まんだらけ
5F アニメイト
6F ボークス

改めて見ると、あまりにも勢揃いです。
いつも一部しかまわらないので、ここまで豪華とは思っていませんでした。

どの店舗もそれなりに広さがあって、つい時間がたつのを忘れてしまいます。

スコナランド

MEGAドン・キホーテのB1、ちょうど「来らっせ」の隣にあるゲームセンターです。
80、90年代生まれに刺さるような懐かしいゲームが多々あります。

空飛ぶ自転車をこいで風船を割るゲーム「プロップサイクル」とか、「リズム天国」とか……。
子供の頃にショッピングセンターのゲームコーナーでやったような、スマートボールのビンゴやコインゲームも。

「ドラムマニアV8」に「ギターフリークスV8」、「タイムクライシス4」
ビデオゲームコーナーでは、「ダライアスバースト アナザークロニクルEX」が目立っています。
10年くらい前で時間が止まってる……

味のあるクレーンゲームに挑戦したり、パロディウスを1プレイだけしてみたり……。
同じ年代同士で行くとより盛り上がれます。

まとめ

八幡山公園のかわいいオブジェと宇都宮タワー

宇都宮はちょうど、これからどんどん盛り上がっていくタイミングです。
2023年8月に新しくLRT(路面電車)が開通。
移住受け入れに力を入れていて、住みやすい街としても注目を集め始めています。

じつは私も将来的には移住出来たらな、と夢見ています。
叶うかどうかは別として、そう思えるくらい心休まる場所が、気軽に行ける距離にあるというのはなかなか良いものです。

この記事が、誰かと宇津宮をつなぐきっかけになったら嬉しいです。